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世界初 鉄道用「同期リラクタンスモーターシステム」実証試験に成功

2021/06/24 私鉄各社・その他

東京地下鉄株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役社長:山村 明義、以下「東京メトロ」)は、三菱電機株式会社(本社:東京都千代田区、執行役社長:杉山 武史、以下「三菱電機」)と共同で、鉄道用「同期リラクタンスモーターシステム:SynTRACS」が実際の鉄道車両で運用可能であることを確認しました。同期リラクタンスモーターによる鉄道車両の営業線上の走行は「世界初」となります。

日比谷線13000系車両にて省エネ効果等を検証

東京メトロと三菱電機は、更なる省エネ性能の向上を目指し、リラクタンストルクのみで駆動し省エネルギー性能が高い「同期リラクタンスモーター:SynRM」と、それを制御するインバーターで構成されるシステムを、日比谷線13000系車両に搭載し夜間走行にて実証試験を行ってきました。

今回の実証試験では、産業用機器等で使用されている同期リラクタンスモーターシステムについて、加速度・減速度をはじめとした各種性能試験を実施し、本システムが鉄道車両の制御システムに適用可能であることに加え、従来の三菱電機製モーターの最高効率が95%であったところ、97%以上のモーター効率があることを確認しました。また、モーターは定格出力250kW、重量は562kgであり、従来のモーターと比較して出力あたりの大幅な小型化も達成しています。これまで高出力化が困難であった同期リラクタンスモーターですが、鉄道車両の走行を可能としたのは世界で初めてとなります。

今後は本格的な運用に向けて、更なる消費電力量評価など長期にわたる評価試験を実施する予定です。

東京メトログループでは、【これからも事業のあらゆる場面で先端技術の採用や改善活動等の創意工夫により、更なる省エネ化を強く推進し、役員・社員が一丸となりCO2の削減に積極的に取組み、「安心で持続可能な社会」の実現を目指してまいります。】としています。

同期リラクタンスモーターシステム実証試験詳細

1. 実証試験の概要


■試験車両 : 日比谷線13000系車両2両(1編成7両中の2両)
■搭載機器 : 同期リラクタンスモーター(Synchronous Reluctance Motor: SynRM)4台、(定格出力250kW、モーター重量562kg)、SiCパワーモジュール適用インバーター1台
■走行区間 : 東京メトロ日比谷線内(夜間走行試験)
■試験期間 : 2021年3月24日~2021年4月14日(計12夜間の試験を実施)


2. 同期リラクタンスモーターについて


回転子鉄心内の磁気抵抗差によって生じる磁極との相互作用で発生する「リラクタンストルク」で駆動します。鉄道車両に広く採用されている誘導モーターと比較して、回転子の発熱損失が小さく、効率や質量特性に優れることが特徴です。


3. 実証試験結果


今回の実証実験では営業線での夜間の走行試験で同期リラクタンスモーターシステム:SynTRACS に採用した回転角検出センサーレス制御技術によりすべての試験条件下において安定したモーター制御ができることを確認しました。また、以下の検証を実施し、いずれの評価においても問題がないことを確認しました。


・写真 : 東京地下鉄株式会社

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