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【伊予鉄】正月限定 御朱印つきチート切符 値段はなんと半額 松山市〜郡中港 (郡中線)

2022/02/03 伊予鉄・四国

伊予鉄道から発売されている面白いきっぷ。


伊予鉄道では年末年始だけしか発売していない特殊なきっぷが存在します。
その名は『意成(いなり)開運きっぷ』といいます。

この聞き慣れなきっぷは、伊予稲荷神社に初詣に行くために発売されているのですが、発売期間が短いのと、そんなに宣伝していないこともあってか、おそらく愛媛の鉄道ファン界隈でも余り知られていないのでは? と思うほど使っている人を見たことがありません。

今回は、謎のベールに包まれた『意成(いなり)開運きっぷ』についてご紹介します。

■チャンネル長方形・この記事の動画版は こちら


通常料金の半額


伊予稲荷神社は、伊予鉄道の郡中線の終着駅である郡中港駅沿線にあります。
しかし、郡中港駅から少し離れているため、お正月三が日には郡中港駅から臨時バスが出ています。

『意成(いなり)開運きっぷ』は購入した駅から郡中港駅までの往復運賃と、郡中港から伊予稲荷神社までの臨時バスの往復運賃が約半額になります。

例えば、今回長方形は松山市駅で購入したので、松山市からの運賃で計算してみましょう。

通常
松山市→郡中港(500円)
郡中港→伊予稲荷神社(160円)
伊予稲荷神社→郡中港(160円)
郡中港→松山市(500円)

合計で1320円です。

しかし『意成(いなり)開運きっぷ』を購入すれはその半額の660円で同じ区間を往復できることになります。

なんということでしょう

かなりお得なのは間違いないのですが『意成(いなり)開運きっぷ』にはもう一つお得な特典?がついています。
なんと、きっぷの中央部分に御朱印用のスペースがついているのです。
つまり、このきっぷで伊予稲荷神社に初詣に行くと、通常の半額運賃となり、御朱印まで押してもらえるのです。

こんなクールなきっぷがあるのに、あまり知られていないのはとても残念です。

きっぷの構造

『意成(いなり)開運きっぷ』は『ゆき』『かえり』『開運』の3つの正五角形で構成されています。
『ゆき』『かえり』はそれぞれ電車・バスに分かれており、降車時に回収されてしまいます。
つまり、中心の『開運』部分は手元に残ることになります。
裏面には御朱印を押してもらうスペースがあるので、神社では必ず押してもらうようにしましょう。

『ゆき』部分には手書きで金額が記載されています。
松山市からの場合は前述のとおり660円です。

伊予鉄道郡中線に乗って

伊予鉄の郊外電車 郡中線は、松山市から郡中港までを結ぶ約11.3キロの路線です。
郡中線はもともとは伊予鉄の路線ではなく、南予鉄道によって1896年(明治29年)に藤原~郡中間が開業したのが始まりです。藤原というのは、今の松山市に近接した場所にあったようです。

南予鉄道の経営状態は開業当初から芳しくありませんでした。
そのため、開業わずか数年後の1900年(明治33年)に同じく経営があまりよくなかった道後鉄道とともに伊予鉄と合併してしまいます。

現在の終着駅である郡中港が開業したのは1939年(昭和14年)のことです。
伊予稲荷神社は郡中港から臨時バスで少し行ったところにあります。

元京王井の頭線 伊予鉄道3000系電車

伊予鉄道郊外電車の主力伊予鉄3000系は、首都圏にお住まいの方であれば「あれ? どこかで見たぞ?」と思われるかもしれません。
それもそのはず、この電車はもともと京王井の頭線で走っていた3000系を購入したものだからです。

しかも京王時代よりグレードアップしています。

重信川を渡る

鎌田駅を出発すると、一級河川重信川を超えるための上り勾配にさしかかります。今でこそ大人しいですが、戦国時代以前はかなりの暴れ川だったらしく、幾度も氾濫を繰り返していたそうです。
よく考えれば、長方形の住む松山平野も、重信川・石手川が形成した広大な扇状地です。それだげ、暴れまくっていたということでしょう。

治水の功績を称え


今から約400年程前、重信川は伊予川と呼ばれていたそうです。
当時の正木城(松前城)城主加藤嘉明(かとう よしあき)は家臣の足立重信(あだち しげのぶ)に、伊予川の改修工事を命じました。
足立重信は伊予川の流れを変えるなどの治水をやってのけ、その功績を称えて重信川と呼ばれるようになったそうです。

ちなみに加藤嘉明はのちの初代松山城主となりました。

実は明治時代の建築? 松前駅(まさきえき)

愛媛県伊予郡松前町の主要駅 松前駅。
伊予鉄以前の南予鉄道時代からある駅です。
駅舎とホームの段差が、駅舎の古さを物語っています。
時代とともに、ホームが何度もかさ上げされた結果、かなり差ができているのが分かります。

実は、松前駅の駅舎は南予鉄道時代、つまり明治時代のものではないかという噂があるのをご存知でしょうか。かなり古いのは間違いないのですが、正確な資料がないため、未だにその真相はつかめないままだそうです。

伊予鉄道では近年古い駅舎をどんどん新しくしています。
三津駅がその典型ですが、利用者目線で考えると夏は暑くて冬は寒い木造駅舎より、清潔で美しい現代的なコンクリ駅舎の方がよいというのはごもっともだと思います。
長方形も三津駅には良く行くのですが、人気のあった旧駅舎よりも現駅舎の方が居心地は良いです。

臨時バスで伊予稲荷神社へ

郡中港駅に到着すると、すでに臨時バスが待っています。
バスに乗ったのは長方形を含むと3人でした。
ちなみに、伊予鉄南予バスはすでに撤退しているので伊予鉄のバスが郡中港にやってくるのは恐らく正月三が日くらいしかないのではと思います。

つまり、かなり貴重な運用ということです。

伊予稲荷神社 

伊予稲荷神社で降車します。
目の前に大きな鳥居がたっていて、漸く初詣感が湧いてきます。
立派な門松も立っていて正月感は更に増します。

広がるのどかな風景

鳥居をくぐると、のどかな風景が広がっています。
左右には田畑や民家があるのですが、民家の数はまばらです。
緩やかな上り勾配の参道は一歩踏みしめるたびに充実感が増していきます。
同行曰く「とてものどかで空気がよい」「少し上らないとたどり着けないことに価値がある」らしい。確かにそうだと思いました。

列の出来る人気ぶり

桜門は1662年建造(寛文2年)県指定文化財です。
1月1日ということもあって、参拝客の列が出来ていました。
確かに、そこまで広い境内というわけではないのですが、それでも列が十メートル以上の列が出来ているので、やはり人気の初詣スポットなのでしょうk。

コロナ渦で出番の少なかった屋台もいくつか出ていました。

数分待っていると意外とすぐに順番が回ってきました。
長方形は慌ててお賽銭を用意します。

神社に来ると、参拝の方法を毎回忘れてしまいます。
何度お辞儀をするのか? 何回手をたたくのか? そういえば出雲大社は神無月が神在月になるんだよな? とか考えてしまうのです。

参拝の順番が近づくと、おもむろにスマホを取り出し何かを調べている方がちらほらいました。その中に長方形も入っているのでしょう。

御朱印

2022年は、新型コロナの終息と弊チャンネルの発展を願いました。

次は御朱印です。
御朱印は『開運』の文字の裏側に押してもらいます。
よく見ると、この御朱印はかなり万能なようで交通安全・商売繁盛・家内安全・厄除護身・そして受験合格まで含まれています。
これはスゴイご利益がありそうです。

臨時バスは時間帯によっては15分ごとに来ているので、
帰りのバスを待つのに時間はかかりません。

郡中港から再び郡中線で松山市駅まで帰りました。
最後まで残った『かえり』の電車のきっぷを駅員さんがもぎると、正五角形の『開運』と書かれた部分だけが残ります。
裏にはご利益のありそうな御朱印が押されています。

今年は、この御朱印を大事に持っておこうと思います。





■文・写真 : チャンネル長方形

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