JR各社・駅

本川内駅”元”行き止まり:JR九州 長崎本線

アシヲヂ / ashiwodi

現在は単なる棒線駅の元スイッチバック。長与周りの旧線の駅。勾配途上に設けられた元信号場。ホーム1面のシンプルな配線。 2023年9月見学長崎県

【行き止まりの景】2023年9月見学
JR九州長崎本線は鳥栖から長崎までの路線ですが、途中の喜々津から浦上まで、市布経由と長与経由の2つのルートがとられています。長崎本線開通時には長与経由のルートでしたが、このルートは曲線が多く勾配もあるため輸送力に限界がありました。そのため長崎本線の近代化にあたって喜々津~浦上間はより直線的な電化新線を整備し、こちらをメインルートとしました。一方旧線もそれなりの輸送量があったためか廃止とはならならず、ローカル輸送の路線として存続しました。本川内駅はこの旧線に設置された駅です。旧線の開通は1898/11/27ですが、開通時は駅は未設置でした。その後1943/10/01に本川内信号場が設置され1952/06/01に駅に昇格、そのままJR九州に引き継がれました。
現在はスイッチバック駅ではなく本線上にホームが設置され棒線駅となっています。しかし折返線やホーム等、スイッチバックの遺構が多く残されています。
スイッチバック現役当時の配線でえす。折返線は下り方上り方ともに1線ずつで、折返1番線にホーム1面がありました。本線との分岐、折返線同士の連絡は両渡り分岐器を介して行われていました。このような配線のため停車列車同士の行き違いはできないダイヤを組むこととなっていました。JR四国土讃本線の坪尻駅・新改駅に同様の例を見ることができます。2002/03/09にスイッチバックを廃止し棒線駅化された当時の配線です。棒線化にあたってホーム部分の勾配を10パーミルに、現況線路へのすりつけのためホーム下り方の勾配を25パーミルに変更し省令条件に対応しました。
そして2018年12月ごろに本線上の両渡り分岐器や信号機が撤去され、現在の姿となりました。しかし依然として折返線の線路やホーム等は残っています。今回の見学はこの配線の姿です。

駅名   :本川内駅
事業者名 :JR九州
線区名  :長崎本線
分類   :途中駅型
終端部構造:緊急防護装置+列車停止標識+車止め標識(+第一種車止め?)

※関連動画
・本川内駅行き止まり:JR九州 長崎本線 ※過去画像シリーズ 2005年1月見学
https://youtu.be/UjM531WaHG0
「九州のスイッチバックを行く」
http://vicom.co.jp/mt/2002/08/4551.html

参照サイト「鉄路ノ景」
http://railscape.blue.coocan.jp/index.html
行き止まりの分類
http://railscape.blue.coocan.jp/deadend/deadend-3.htm